50代で脳梗塞。社会復帰を目指して

働き盛りの50代男性Yさんを突如として襲った脳梗塞という病魔。Yさんは舞台の制作会社に長年勤務していたのですが、出張が多い仕事で自宅に帰るのも月に数日程。ほとんど地方のホテルで暮らしているような状況で、早朝の撮影と深夜の撮影の繰り返しで非常に不規則な生活を数十年も続けていました。しかも、お酒が好きなものですから不規則さも増し、体への負担も相当なものであったのでしょう。Yさんは出張先のホテルで倒れてしまいましたが、運よくホテルのスタッフに発見されたことから一命をとりとめました。もし自宅で倒れていたら、独身のYさんを発見することはできなかったでしょう。

入院、リハビリ、退院そして

半年の入院生活。そして、ようやく社会復帰へ。しかし、これまでのような歩行は困難です。左半身のほとんどが麻痺しているので、杖なしでは歩行は困難でした。このような体の状態で引越しをしなければならなくなったのですが、もちろん、一人で不動産屋さんを巡ることなんてできません。入院している病院のケアマネージャーと市役所の生活福祉課の担当者の方で、市内の不動産会社をしらみつぶしに当たったそうですが、どこも断られるばかり。そうする中で、たまたま「高齢者の部屋探しの窓口」を知り、藁をも掴む思いでお声がけいただいたそうです。退院の時期も迫っていたこともあり、当社で管理しているアパートの大家さんに事情を話し、入居後のサポートについて具体的にご説明をすることで安心していただき、ご了承を得ることができました。ただし、脳こうそくの後遺症がかなり残っていることから、部屋は1階であることはもちろん、足場が平坦であること、お風呂介助がしやすいバストイレ別など、クリアすべきハードルは高いものがありました。入居間もないので部屋の中は段ボールが積まれている状態でしたので私の方で廃棄したり整理したり。必要な家具家電類は経済的な負担を少しでも減らすためにも、知り合いから譲り受けました。今はすっかり室内も整理整頓されて、手すりなども設置しているので安心して暮らしていただいているようです。入居のお祝いとして、ささやかながら、吉祥寺では有名な「小ざさの最中」をお贈りしました。